コウモリの生態と被害
コウモリの生態
コウモリは、脊椎動物亜門哺乳綱コウモリ目に属する動物の総称で、その中でも日本人にとって最も身近なコウモリはアブラコウモリです。アブラコウモリとは、日本に棲息する中で唯一家屋のみをすみかとする翼手目ヒナコウモリ科に属するコウモリの一種です。その習性から、イエコウモリという別名もあります。大きさは、オス・メスともに約4~6cmと小さいです。日本国内では、北海道道央部以北を除くほとんど全国に分布しています。人家のない山間部などには棲息せず、東京都心をはじめとする都市部の市街地に数多く棲息し、夕刻の空に見られます。家の天井裏等に住みつくため、落とした糞が堆積して臭気や衛生面が問題となっています。

体長 | 約4~6cm |
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翼長 | 約18~24cm |
体重 | 約5~10g |
体色 | 黒褐色、暗灰褐色系の体毛をもつ |
コウモリの特徴
夜行性で、昼間はねぐらで休み、日没近くから夜間に飛び回ります。コウモリは雑食性で、小型の昆虫類を主食とし、ウンカ、甲虫なども捕食します。都市部では、有機物量の多い汚濁河川から大量に発生するユスリカが重要な食物となっていることが多いです。交尾期は10~11月で、雌は満1歳から出産し、7月初旬に1~3頭の子を産み、30日程度で離乳して巣立ちます。寿命は雄で3年、雌で5年ほどと、他のコウモリと比べると短く、雄は1年以内に死んでしまうことが多いです。敵から身を守るために、屋根の隙間などの入口が狭いところを好んで巣を作ります。数頭の家族単位で暮らすことが多いので、50~60頭の群れで天井裏などに住みついていることが多いです。数が多いことにより獣臭も増し、その分糞尿が大量にあるため臭いが部屋の中にまで出てくるようになってしまいます。
- 主に木造の建物のすき間をねぐらにしているためイエコウモリとも呼ばれている
- 黒褐色、暗灰褐色系の体毛をもつ
- 家屋を隠れ家にし、群れで暮らしている
- 行動するのは日没後
- 都市近郊にも多く見られるが、逆に山間部など家屋のない森林内には生息しない
- 2cm弱ほどの隙間を抜けることができる
コウモリの被害
コウモリは家屋の天井裏に侵入することが多く、営巣・活動します。夜行性ですので、日没近くから夜にかけて非常にうるさい声で鳴き立てるため、騒音被害は非常に深刻です。天井裏でもバタバタと音を立てるため、睡眠の妨げにもなります。また、騒音を起こすだけでなく糞尿も問題となります。コウモリによる被害の大半が糞害なのです。コウモリが侵入し巣を作ると、外壁・天井板等に糞や尿によるシミが多く見られるようになり、トタンなどのサビの原因になったりといった被害例も報告されています。コウモリは必ずと言っていいほどダニを持っています。その名も「コウモリダニ」。個体数が増えたり天井裏や壁の中で死んでしまうと、ダニの異常発生に繋がります。女性や小さなお子様は特に刺されやすく、肉体的・精神的被害は甚大です。
コウモリによる主な被害
- 天井裏でバタバタ音がするなどの騒音
- 糞尿による衛生的被害
- ダニやノミなどの発生
- 睡眠の妨害などの精神的被害
- 侵入被害
- 異臭被害